パートナー婚の遺言書 事例紹介

パートナー婚は必ず夫婦で遺言を

「婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる」とあり、日本の婚姻制度は「法律婚主義」です。(民法739条)

 

一方、戸籍を入れずに結婚するのは「事実婚」(パートナー)といいます。住民票の続柄には、夫(未届)・妻(未届)と記載しています。

 

「法律婚」でカップルは法律によって守られ、権利が保障されていますが、「事実婚」カップルは法律で守られていない面が多くありますので相続においては、とくに自己防衛策が必要です。

 

「事実婚」のカップルは「パートナーに遺産を遺す」ためには、体力も気力もあるうちに準備しておかないと間に合わないことが、実は「法律婚」カップルより多いのです。

 

「事実婚」と「法律婚」の相続の違い

 

「事実婚」カップルの相続では、➀法律上はできない、➁制限がある、③条件付きでできることなどに分けられます。いざ相続発生の時にパートナーの相手方親族と揉めないためには、3点をきちんと押さえておくようにしましょう。

 

当事務所が今までに手がけた事例をご紹介いたします。

パートナー相続問題が解決しました!

➀-1法定相続人になれない

民法第890条では、「被相続人の配偶者は、常に相続人となる」と定められています。被相続人とは財産を遺して亡くなった方で、配偶者とは夫または妻のことです。

 

これは、「法律婚」による夫又は妻に限られています。ですから、「事実婚」の夫または妻は相続権がないことになります。

 

➀-2遺産分割協議に参加できない

 

遺産分割協議とは、法定相続人全員が被相続人の遺産について相続割合を話合う場のことです。つまり、「事実婚」による被相続人の妻(または夫)は法定相続人ではないので、遺産分割協議で自分の意思や意見を発言できないことになります。

 

 

➀-3「パートナーシップ証明書」では相続の権利はない

 

平成27年11月5日に、渋谷区と世田谷区では、「パートナーシップ制度」を導入しました。

 

 

この制度でLGBTカップルでも公的に結婚が認められ、多様性社会のなかで画期的制度として、全国の市区町村に広がりました。

 

この制度では、市区町村で証明書等を取得した同性婚カップルは住居の賃貸借契約をしようとして断られた場合、市区町村は是正勧告したうえで、その事業者名を公表するなどの配慮がされています。

 

 

しかし、この「パートナーシップ証明書」は残念ながら法的な根拠がありませんから法的効力はなく、法定相続人にはなれないのです。

 

 

➁-1口座凍結の解除をできない可能性がある

 

金融機関では口座名義人の死亡を知るとその口座を凍結し、入出金や送金ができなくなります。これは、遺産分割前に相続人のうちで預貯金を下ろしてしまうことがないようにトラブルを防ぐための処置です。

 

 

しかし、故人の葬式費用や医療費などの支払いがある場合、預貯金を下ろせないと困るので、「仮払い制度」を利用することがあります。しかし、ほとんどの金融機関では原則として相続人全員の承諾が必要となっており、相続人ではない「事実婚」のパートナーが単独で行うことはできないことになります。

 

 

遺産分割が決着した後に、口座凍結を解除できるのは、相続人、遺言書執行者、相続財産管理人、または相続人から依頼を受けた人です。

 

 

*注「事実婚」のパートナーが被相続人から財産の遺贈を受ける「受遺者」は凍結解除が可能

 

 

また、最近のネット化で通帳や証券が廃止される傾向にあります。「法律婚」カップルでも同じですが、相続の発生や認知症になったときに備えて、自分の銀行の暗証番号を伝えておくことも大切です。また、相続税の申告後に口座が発覚して税務調査や追徴課税の可能性もありますから、親族に迷惑をかけないようにしましょう。

 

 

➁-2基礎控除や配偶者控除など適用なし

相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」又は法定相続分で計算しますが、「事実婚」のパートナーは法定相続人ではありませんから法定相続人としての数に入らないことになります。

 

 

「配偶者控除」では、続財産の評価額1億6,000万円まで非課税となりますが、「法律婚」の配偶者が対象なので適用はありません。

 

 

なお、「配偶者短期居住権」については、「事実婚」のパートナー、通称内縁の妻にこの権利が認められた判例があります。また、「小規模宅地等の特例」では被相続人の自宅の土地や事業用地の相続税評価額を最大80%減額できますが、親族に限られており適用は不可となります。

 

事実婚のカップルがやるべき相続対策は5つ

ここまでの「事実婚」カップルの相続では、デメリットばかりと思われるかもしれません。

 

 

そこで、「法律婚」と同様の権利、生前に準備・対策することで、いざという時に対処できる方法があります。

 

 

➀生前贈与

贈与では、個人から個人へ無償で財産を譲ることをいいます。その個人は、親族に限りません。

 

 

「暦年贈与」では、年間の贈与額が110万円までなら贈与税が非課税となります。ただし、相続開始前7年以内の受遺者に対する贈与には、相続財産に持ち戻されるために相続税が発生する可能性があります。

 

 

「事実婚」のパートナーに「暦年贈与」をするならば、早めに開始したほうが良いでしょう。

 

 

➁遺言証書を作成する

遺言は、相続人による遺産分割協議に優先します。遺言証書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。

 

 

「事実婚」のカップルの住まいは共有名義の場合が多いと思います。この場合の遺言証書は強力な効果を発揮します。遺言証書があれば、被相続人の財産に相続権がある親族にも、被相続人の持分を主張できませんから親族に相続される可能性はなくなり、パートナーはそのまま自宅に住めることになります。

 

 

遺言書では「不動産●●の私の持分をパートナーの氏名に遺贈する」と書いておけばいいのです。

 

 

ただし、遺留分には注意が必要です。被相続人の親や先妻・先夫との間に子がある場合には、法で保障された「遺留分権」がありますから、「遺留分侵害請求」される可能性があります。

 

 

なお、「遺留分」は基本的に「法定相続分の1/2」ですから、パートナーの遺産が少ない場合には「遺留分侵害請求」されない可能性があります。

 

 

③死因贈与する

 

財産を贈与したいパートナーと生前に契約を交わしておくことで、被相続人の相続開始時に行われる贈与です。契約の証拠として「死因贈与契約書」を作成しておくと良いでしょう。

 

 

ただし、この場合でも、相続人から「遺留分」を主張される可能性は残ります。なお、「事実婚」のパートナーには、相続時に2割加算の対象となりことも忘れないで下さい。

 

 

➃「特別縁故者」の申し立て

被相続人に法定相続人がいないケースでは、被相続人の「特別縁故者」としてパートナー自身が家裁に申し立てる方法があります。「被相続人と生計を同じくしていた人」「被相続人の療養看護につとめた人」「被相続人と特別密接な関係にあった人」などの場合に申し立てをすることができます。

 

 

この方法は、被相続人の最終住所地を管轄する家庭裁判所に、「相続財産管理人」の選任を申し立てます。相続財産管理人が選任され、相続人調査が行われて相続人の不存在が確定すれば、「特別縁故者」の申し立てが認められ、遺産の全部または一部が受け取れます。

 

 

「特別縁故者」への財産分与の申し立ては、「相続人不存在の確定後3ヵ月以内」に行なわなければなりません。審判が確定するまでに時間がかかります。

 

 

⑤遺族年金や死亡保険金が請求できます

 

「事実上、婚姻関係と同様の事情にあった者」と認められれば、遺族年金を受け取ることができます。

 

 

国民年金の「遺族基礎年金」と厚生年金保険の「遺族厚生年金」がありますが、いずれも問い合わせ・請求先は、パートナーの住所地の年金事務所になります。

 

 

保険ですが、被相続人が被保険者・保険料の負担者である生命保険や損害保険の死亡保険金を、「事実婚」のパートナーを受取人とすれば、保険金を渡すことができます。

 

 

 

なお、死亡保険金の非課税枠「500万円×法定相続人の数」は、法定相続人ではありませんから適用できません。

 

 

 

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婚姻制度や税法は時代にあった改正が要求される

 

婚姻制度は「夫婦別姓」が世界の主流で、「夫婦同姓」はほぼ日本だけです。また、「事実婚」も世界の流れです。

それに伴い相続税法も改正されていくでしょう。税制改正は毎年行われていますから、
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